日本臨床発達心理士会滋賀支部

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滋賀支部2016年度地域公開講演『Kids  Loco Project第3回研修会』に参加して
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    USP子育ち応援ラボうみかぜ「みんなあつまれ」

    代表 成松祐子

     

     「身体に不自由のある子どもたちが自らの意思で動くことを当たり

    前にしたい。」研修資料の冒頭に記された言葉に、まずはガツンと

    衝撃を受けました。車椅子に乗って、親や先生に押してもらい、

    押す人の都合や道路事情に合わせてでしかどこかに行くことが

    できないという子どもが大半ではないかと実感しているからです。

    「どっちに行きたい?」と尋ねながら移動したとしても「自らの

    意思で動く」自由には程遠いでしょう。そんな状況を何とかしたい

    と考え、実践されている研究者や先駆者の方々が企画された研修会

    でということで、始まる前から期待でワクワクしていました。

     

    びわこ学園での実践を記録した映像には、子どもたちがからだを

    動かして楽しんでいる様子が描かれていました。どの子も「嬉しく

    てたまらない!」という感情がからだ中からあふれ出しているよう

    で、思わず頬がゆるみました。デザインの講演では、機能性だけで

    はなく、見た目の重要性が報告されました。講演会場の外にBaby

    Locoが数台展示されており、オレンジやピンクの鮮やかな色合い

    と丸っこいフォルムの可愛らしさに、それまで抱いていた福祉用

    としての車椅子のイメージが吹き飛んだのですが、同時に、

    約15年前の人権研修会で、障がい者や高齢者の生活環境について

    研究、実践されてきた、当事者でもある講師が、ご自身の歩行を

    支える杖をその日の気分やファッションに合わせてコーディネート

    して楽しんでいると語られたことを思い出しました。「杖を作る人

    の意識の中に杖は歩行を助けるという機能が満たされればそれで

    十分だという思い込みがあるが、快適に暮らせる環境や精神づくり

    を研究テーマとしている自分にとって、それだけは満足ではない」

    という強いメッセージを受け取ったことを覚えています。

     

    続く講演はアメリカデラウエア州の講師の居間からネット中継さ

    れ、ユーモアたっぷりのやり取りを交えながら進行しました。子ど

    も用車椅子や、手足の動きをサポートする補助具、スーパースー

    ツ、ハーネスなど、最新の技術による製品が紹介され、実際に使っ

    ている子どもやおとなの生き生きとした様子が映し出されました。

    最も感激したのは「自分が得意ではない研究にはそれが得意な人に

    参加してもらいチームで進める。例えばからだを動かせない人に参

    加してもらう。」というものです。ある道具を必要としている人が

    意見やアイデアを出して試作品をつくり、テストし、改良していく

    という、ものづくりに当たり前のプロセスに、障がいのある人が最

    初から参加しているプロジェクトを、不勉強ながら私は今まで知り

    ませんでした。福祉の分野の人だけで集まって考えていては、前述

    のような魅力的な車椅子などもおそらく発想できないだろうと思い

    ます。

    その後の講演では、動くことが神経の発達にどう影響するのかが

    語られ、さらに子どもの座位を保持する装置や遊具、車椅子などが

    実践現場の映像と共に紹介されました。最後の総合討論では「誰で

    も自分の意思で自由に動けることが人権である」という理念が確認

    され、胸に熱い余韻を残しながらの閉会となりました。

     

    人権を保障するための研究や技術がいくら進んでも、法律や体

    制、道路、交通などの社会環境が同時に整っていかなければ、最先

    端の製品も結局使うことができずに、無駄になってしまいます。

    左記の発言にもあったような、バリアになるような法律ならば、その法

    律自体を見直す必要があると考えます。全て、我々人間が作った

    者なのですから、法律に縛られて自らの権利を剥奪されるな

    ど、本末転倒と言わざるを得ないでしょう。

     

     デラウエアからの中継は「じゃ、今からアイスクリームを買いに

    行こう」でユーモラスに締めくくられました。現地はすでに

    夜中、でも、行きたい場所にいつでも行ける自由、それを手に入れる権利。

    私たちも、すべての子どもらにそんな権利を保障していけるよ

    う、地道に、しかし明確な信念を持って、活動を続けていきたいと

    願います。

     

     

    | 地域から | 15:19 | comments(0) | - | ↑PAGE TOP
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